2018年9月 飛行機モデル好きは、飛ぶ姿も好きに違いない−ファーンボロー航空ショーで飛行展示を見た

エアショーとは


毎年初夏に欧州で世界の航空業界が集まる航空ショーが開催されます。


奇数年がパリ、偶数年の今年はロンドン郊外のファーンボローで。普段のファーンボロー空港は、ジェット機のチャーター便が運航されているだけの定期便の無い場所です。それが、二年に一度は世界中が注目する場所となります。



今年の航空ショー


2018年のファーンボロー国際航空ショー(FIA)は7月16日から22日まで開催されました。20日までは航空機発注などビジネス商談中心のトレードデイ。21日からの2日間はパブリックデイと言われる一般開放日となります。航空機の売り込みの場所としての機能があり、世界二強メーカーのボーイングとエアバスを中心にエアラインや航空機リース会社から受注機数を競います。



MRJの飛行 





今年は、MRJが航空ショーで初めて飛行展示をするということで注目を浴びました。地上車輌との接触で2日目の飛行は中止となりましたが、会期中3回のフライトを成功させました。16日の初展示飛行では、離陸時でもエンジン音が大きくなることなく、静かなまま滑走路24から機体を大空に持ち上げました。ギアダウンで2周。ギアアップで1周したのちに着陸。たった7分間ではありましたが、MRJが世界の表舞台に立った瞬間です。



二強の状況 





ボーイングは合計673機の受注を受けました。対するエアバスは合計431機。エアバスの機数には、本来ボンバルディアCシリーズの60機も含まれていますので、今年の受注競争はボーイングの圧勝となりました。総計1,920億USドルの商談が成立した訳で、航空機産業はまだまだ成長途上。






MRJライバルのエンブラエル



ボーイングと提携関係を発表したブラジルのエンブラエルですが、同社単独でも302機で150億ドルの受注を発表しており、昨年に続き今回も受注の無かったMRJとしては彼らの背中を追いかけるだけで大変です。昨年のパリのエアショーでProfit Hunterの呼び名を披露して以来、機首部分の塗装は変化してアピールを強めています。パリエアショーでイヌワシ、シンガポールエアショーでトラ、そして今回のファーンボローではサメと、徐々に過激化していっているように思えます。



飛行展示のボーイング 



エアショーでは地上展示だけでなく飛行展示が見られるのも大きな魅力です。ファーンボロー空港は、2,600mで24/06方向の滑走路が1本あります。滑走路脇には観覧席が設けられていました。ボーイングでの印象的なフライトは727‐2S2F型。地元Oil Spill Response社の石油流出時の薬剤散布に活躍する機体です。フェデラルエクスプレスで1984年に登録された34年も飛んでいる機体。散布のバーを機体主翼下後部に設置して、4機のブレーズエクストラ機とともにデモンストレーション飛行を行いました。このように、商談に関係の無い航空機でも観客を喜ばせようと遊び心で飛ばしてしまう気概が感じられて嬉しい限り。787-8や737Max7も飛びました。



飛行展示のエアバス 



対するエアバスは、ボンバルディアCシリーズのリネームとは言えグループ入りしたばかりのA220‐300や引き渡し直後のA330neoを飛行させてアピール。A350‐1000とともにワイドボディー2機を飛行させて会場を沸かせました。


飛行機モデルの魅力は、自分の好きな飛行姿勢を自分の手のひらの上で再現できるところにもあります。エアショーではその「普段見る事のできない飛行姿勢」で飛びますので、お披露目の時間は魅力的です。飛行機モデルファンは大いに関心があるのではないでしょうか。



貨物機  



エアショー会場内にはカーゴビレッジなる場所が設けられていました。貨物機の地上展示で存在感を示していたのはボーイング。2機の747−8Fを並べていました。地元イギリスのカーゴロジックエアとカタール航空が貨物機ならジャンボだと主張しています。日本ではセントレアに飛来実績のあるボルガドニエプル航空のアントノフAN124‐100型もその大きさを誇示していました。搭載量は2機種ともに100トン超え。船に例えるとコンテナ船とバラ積み船の違いがあります。アントノフのバラ積みでの100トン搭載は、単体で大型貨物を想定しますが、機内での固縛も含め搭載は迫力がありそうです。航空輸送は世界の物流の中で輸送量は船には敵いませんが、貿易統計に出る貿易額に貢献しています。



さいごに

地上展示、飛行展示ともに多くの航空機に接する事のできるエアショー。

モデル蒐集家にとっても、おおいに興味をひくイベントではないでしょうか。


来年のエアショーはパリ。シャルル・ド・ゴール空港にもほど近い、ル・ブルージェ空港での開催です。


パリエアショー SIAE2019

⇒ https://www.siae.fr/en/

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